Shopifyの無在庫販売で売上げが作れるかどうかは、「集客」が全てと言っても過言ではありません。今回は、Shopifyによる無在庫販売、特に無在庫輸出における集客方法について解説します。
1. SEO
無在庫販売はいくつかの方法がありますが、無在庫輸出では、基本的には多数の商品を登録して販売する形が多いです。
この場合、最も集客に結びつけやすいのが「SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)」です。SEOは基本的には商品数が多くなれば多くなるほど、いわゆる「ロングテール」のキーワードも拾えるようになるため、集客数が増えていきます。
またECサイトは、サイト内でのリンク構造が多いこともあり、比較的SEOでの上位表示がしやすいです。これも商品数が増えれば効果が高まってきます。
輸出向けの商品は、商品名にもブランド名や型番などが入ることが多いため、商品を登録するだけで直接検索に結びつくキーワードが多くなると言うことにもなります。
一方で、SEOはすぐに効果が出るものではありません。サイトの規模が一定程度大きくなり検索流入数も増えてくれば、登録したばかりの商品であっても、比較的早く検索結果の上位にも表示されるようになります。
ただ、商品数が少なく検索からの流入も少ない段階では、商品を登録してから検索結果に表示され、そして上位表示されるまでには時間が掛かります。
そもそも商品数が多いことを活かして行なうため、商品の登録自体にもある程度時間がかかります。
SEOは最終的には効果が大きな集客手段とはなるものの、最初から大きな期待を寄せすぎるのは危険と言えます。
構造化も意識
Googleなどの検索エンジンで検索したときに、検索結果と合わせて価格やレビューの数が表示されていることに気づくこともあるかと思います。
こういった追加の情報が表示されていることで、検索結果の中ではより目立つようになり、クリックもされやすくなります。
このような情報は「構造化データ」と呼ばれていますが、これを表示させるためには、Googleが指定する形式でサイトを作る必要があります。Shopifyのテンプレートやアプリは基本的にはこのような構造化に対応しています。
ただ価格やレビューだけでなく、例えば商品サイズなども表示させることが出来るのですが、その場合は、商品サイズを表示させることを考えた上で、商品情報を登録する必要があります。
構造化まで意識すると、商品登録の段階でどういった情報を選べば良いのか、と言う点にも影響が出てきます。意識しなくとも大きな影響があるものではありませんが、SEOは少しずつの積み重ねの結果で見あるため、余裕が出てくればこういったことも考えて見ると良いでしょぅ。
2. Google Shopping
Google Shopping(Google ショッピング)は、Google検索の「ショッピング」カテゴリーのことです。
Googleで検索すると、最初では「すべて」のタブが選択された状態ですが、その結果の中では「人気商品」と表示されている欄が該当します。また、「すべて」のタブの横に、「地図」「画像」等と共に「ショッピング(Shopping)」タブが並んでおり、選択することによりショッピング専門の検索結果を見ることが出来ます。
1のSEOもGoogleの検索結果に表示させるためのものですが、Google Shoppingは、より「購入意思が強い」ユーザーにリーチするものとなります。また検索結果の中でも、目立つ欄に表示出来る方法でもあります。
このGoogle Shoppingに表示させるためには、Google Merchant Centerのアカウントを開設し、規定の内容を登録。その後、専用のフィードにより商品情報を送信します。
Shopifyでは、このGoogle Merchant Centerとの連携が簡単にできるアプリが用意されているため、指示に従って操作を行なうことですぐに連携が出来ます。
商品の掲載は審査完了後に始まるため、登録から若干時間は必要ですが、それでもSEOに比べればかなり早く効果を出すことが出来る方法です。
また掲載には無料枠と有料枠があり、Google広告を利由ない場合は、無料枠にのみ表示されます。この点は事項で詳しく触れます。
3. Google 広告
Google広告は、2のGoogleショッピングと連動させたものです。
前述の通り、Googleショッピングには無料枠と有料枠があり、有料枠に表示させるためには、Google広告を利用する必要があります。
有料枠の場合は、ショッピング検索の結果で目立ちやすくなるだけでなく、例えば商品に関連するようなキーワードでの検索であれば、パソコン版ではページの右側、モバイル版であればページの最上部にも枠が表示されます。またYouTubeなどのGoogle関連サービスでも表示されます。
無料枠だけではどうしても訴求が弱くなるため、Google Shoppingを使うのであれば、Google広告も合わせて使用することが、いわば必須とも言えます。
広告と言っても単価は安ければ1クリック1円~と、非常に低価格から始めることが出来、さらには購買意欲が高いユーザーにリーチするため、実際に費用対効果の面でも効率が良い手段となります。
SEOで集客が出来るまでは、どうしても時間が掛かります。そのため、まずはGoogleショッピングとGoogle広告を行なうだけでも、早い段階でそれなりのアクセス数は集めることが可能です。
なおGoogle広告には、上記のようなショッピング広告の他に、検索結果と連動した検索広告もあります。こちらも低単価で出稿できるものではありますが、運用の難易度が上がることに加え、ブランド力があるほうが有利になる場合も多く、ある程度余裕が出てさらに何か行えることはないかと考えられる段階になれば、行なえば良いでしょう。
ショッピングサーチは?
例えばアメリカに輸出する場合ですが、Googleショッピング以外にも、いわゆる「ショッピングサーチ」と呼ばれるようなサイトが複数あります。日本で言えば「価格.com」のようなサイトで、「Shopzilla」などが有名です。
こういったサイトにも比較的容易に出稿できるのですが、日本の価格.comが比較的大きなECサイトが有利になっているのと同様、アメリカのショッピングサーチサイトも、規模が小さな個人輸出のようなサイトでは、あまり効果はありません。
また、「米国内で販売されている国内商品」が主なターゲットとなっていることもあり、輸出商品とはそもそも相性が良くない場合が多いので、Googleショッピング以外のショッピングサーチは、多くの商材では検討不要と言えるでしょう。
こちらもGoogleの検索広告と同じく、追加で他に施策がないかと考えられる余裕が出てきてから検討すれば問題ありません。
4. SNS
SNSも集客の大きな手段となります。Twitter、Facebook、Instagram、YouTubeなど、選択肢も様々です。
ただSNSもSEOと同様、すぐに結果を得ることが難しい手段ではあります。基本的には「アカウントを育てる」ことが必要となります。
例えばInstagramでは、「ショップ機能」が提供されており、Shopifyで販売している商品に、インスタで投稿した画像からリンクを直接付けることが出来ます。
ただこのショップ機能を使うためには、一定数のフォロワーをまず集めなければ行けません。TwitterやFacebookにしても、アカウントをフォローしてくれている人が少なければ、効果は小さいと言えます。
またSNS内での露出を高めるためや、フォロワーを集めるためには、広告も効果的に使っていく必要があります。この広告も慣れないうちは運用が難しく感じるかも知れません。
SNSは育てていけば効果が高まるものであるため、早い段階でアカウントは開設して運用を始めた方が良いものですが、実際に集客に結びつくにはある程度時間がかかる前提で運用しなければなりません。
そして「無料」というイメージが強いかも知れませんが、実際に効果を出しているサイトは「広告」もうまく利用していることも覚えておいた方が良いでしょう。
5. メールマガジン
メールマガジン(メルマガ)は既に古い手段ではないか、と考える人もいるかも知れませんが、まだまだ大きな効果を期待できる集客手段の1つです。携帯番号に直接送信するSMS(ショートメッセージ)も広義ではこのメルマガに含めて良いかとは思います。
メールマガジンを送るためには、もちろんまずはメールアドレス(SMSであれば電話番号)を集める必要があります。Shopifyでは、商品を購入せずともメールアドレスだけ集められる手段やアプリがいろいろとあるため、比較的容易にアドレスを集めることが出来ます。
この点もShopifyでの集客手段にメルマガが向いている理由となります。もちろん、関心が高くないアドレスも多数集まるのですが、それでも数千件程度であればアドレスを集めることも難しくありません。コツコツとアドレスを集めていけば、メルマガからもある程度の売上げが出てくるようになります。
またメルマガには、1度訪問したユーザーとのコンタクトを切らさない、というメリットもあります。定期的にメルマガを送っておくことで、ショップのことを思い出してもらえることにもなり、リピーター作りにも役立ちます。
一方でメルマガもSEOやSNSと同様、時間がかかる手段であるため、少しずつ育てていく方法ではあります。
何から始めれば良いのか
集客方法は他にも色々とありますが、大きく見てみればここに挙げたようなものか、その類型のようなものになります。
では何から始めるのが良いかと言えば、効果がでるのが早い「広告」から検討するのが良いでしょう。
GoogleショッピングやGoogle広告はショップをオープンしたらすぐにでもアカウントを開設し、利用可能な状況にするのが良いでしょう。そうすれば、開店直後からでも一定数の訪問者を集めることが出来ます。
一方で商品数が少ない段階で多額の広告費をかけてしまうと、顧客を満足させることが出来ずに無駄な広告費だけを発生させてしまいかねません。広告費はショップの規模に合わせても考える必要があります。
またSNSはアカウントを育てる必要があることから、集客方法としては期待できなくとも、早い段階からアカウントを作って運用は始めるべきです。
メールマガジンに関しても、設定やアプリの使い方次第で集まるアドレスの数に違いが出てくるため、アドレス集めはショップ開設直後から始めるべきです。
SEOは特別に意識して行なうと言うよりは、商品数が増えるに従って力が強まると考え、最初のうちは商品数を増やすことに注力すれば良いでしょう。