「無在庫販売」は、初期費用を抑えることが出来、リスクも低いため、関心を持つ人も多いことでしょう。Shopify(ショッピファイ)は、そんな無在庫販売による輸出を行なうのにも適したプラットフォームと言えます。
今回は、Shopifyによる無在庫輸出で商品が売れる理由について紹介します。
海外(アメリカ)の通販では配送に時間がかかることが多い
日本では、通販サイトで購入すると翌日や翌々日には商品が届くことが当たり前のように感じられるかも知れません。ただこれは、海外では必ずしも一般的とは言えません。
例えば越境ECでメインターゲットになる国の1つであるアメリカの場合、アマゾンでも、「Same-Day」「One-Day」「Two-Day」といった、迅速な配送サービスを提供していたりはします。ただこれは、あくまでAmazonの倉庫を利用した商品のみが対象であり、地域も限定されていたりします。
アメリカでは、ネットショップで注文して配達まで1週間程度を待たされる、と言うことは決して珍しいことではありません。「One-Day」「Two-Day」といった高速配達を利用すれば、かなりの追加料金が必要なことも多いです。
そのため、越境ECで大きな問題となってくる「配送時間」は、実はそこまで大きな問題にならなかったりします。
もちろん、「配送時間」や「配送料金」が壁になりコンバージョン率が低くなると言うことはあります。それでも、配送に時間がかかるから購入しないという人は、思っているよりも少ないはずです。
日本国内では迅速に仕入が可能
無在庫販売では、「商品が売れてから仕入れる」ことが前提ですが、今度は日本国内での迅速配送が役に立ちます。
日本国内では多くのネットショップで購入した翌日や翌々日に商品が届きます。
そのため、海外へ無在庫で販売したとして売れてから仕入れても、販売から1~2日程度で商品が手元に届きます。これであれば、在庫を持って販売しているのとそこまで発送までの日数で時間の差が出る、と言うことはありません。
元々海外向け発送であり配達に時間がかかることが前提という中で、1日や2日日数が追加されたとしても、顧客側でも大きな問題とはなりません。
FedExやDHLを利用すれば海外へも迅速配達が可能
海外への配送では時間がかかることが当然と思う人も多いかも知れませんが、FedExやDHLといったサービスを利用すれば、アメリカ向けであっても、翌日や翌々日に配達することが可能です。
こういったサービスは高額になるのではないか、と考えるかも知れません。しかしFedExやDHLは割引料金を提供しているため、金額を交渉して契約したり、もしくはこういったサービスを格安で提供している発送代行会社を利用すれば、そこまで高額にはならなかったりします。
昨今はEMSの値上げもあり、実はEMSで送るよりも安い場合も珍しくはありません。
日本から発送すると分かって購入する人は、配達までにある程度時間がかかることを想定して買っていたりします。そういった場合に、FedExやDHLを利用して商品が迅速に配達されれば、その速さに驚いて満足度を上げる、といった効果も期待できます。
Shopifyによる決済手段の導入しやすさと安い手数料
Shopifyによる越境ECがやりやすい理由の1つに、決済方法の導入のしやすさがあります。
海外向けの通販では、クレジットカード決済は必須です。導入のために代行会社と契約して利用しようとすれば、審査までに日数が必要であったり、状況によっては審査が通らないこともあります。
Shopfiyでは、追加の審査などの手続きも不要で、Shopifyペイメントによりカード決済が即日利用可能です。これにより越境ECでの課題の1つである決済を簡単に用意できます。
またShopifyペイメントでは、クレジットカードだけでなく、Apple Pay・Google Pay・Facebook Payのウォレット決済も導入できます。これらは利用者が多いというわけではありませんが、モバイルを中心に一定数のユーザーはいるため、追加のコストや負担無く利用できることはメリットでしょう。
カートシステムの中には、決済手数料に加えて販売手数料も必要というものもありますが、Shopifyペイメントは決済手数料のみで利用でき、その金額も低く抑えられています。手数料が抑えられると言う点でも、Shopifyはメリットが大きいと言えるでしょう。
Shopifyでは大量出品が可能
無在庫販売で売上げを上げるためには、「大量出品」がどうしても必要となります。
Shopifyの料金体系は、商品数による変動は無いため、大量出品が可能という点も無在庫輸出に向いているポイントとなります。
国内のショッピングカートでも商品登録数無制限というものはありますが、大手のカートには商品数により料金が高くなるものも存在しています。
またShopifyのサーバー力も大量の商品出品に耐えられるものとなっているため、商品を増やしたとしても、動作速度に影響はありません。
なお、Shopify自体は商品数が増えても料金が上がることはありませんが、Shopifyで利用するアプリの中には商品数により料金が上がるものがあるため、その点は注意が必要です。
販売時に売上げ・入金が確定する入金サイクルの早さ
アマゾンの場合、出品者の売上げが確定するのは商品を出荷したタイミングであり、さらに最近では、入金が確定するのは配達完了のタイミングまで待たないと行けないなど、販売から入金確定までの時間がかなり長くなります。
アマゾン以外でも、プラットフォーム販売の場合は売上げが確定するのは商品の発送後になるはずです。
Shopifyでは、商品が販売され、確定処理を行なえば(確定処理は自動化も可能)、商品発送前でも売上げが確定し、入金も日本のアカウントの場合は週1で受けることが可能です。
無在庫販売の場合、有在庫と比べればどうしても発送までに時間がかかり、さらには海外配送であれば、配達完了までにはさらに追加で日数が必要です。
タイムラグを考慮する必要が無く、売れれば迅速に入金を受けることが出来るというのは、無在庫販売では大きな強みとなります。カード決済であれば、売上げの入金を受けてから実際の支払まで十分な時間を確保することが出来るでしょう。
競合が限られる
海外への無在庫輸出は、競合が限られると言う点もメリットになります。
Amazon輸出やeBay輸出など、プラットフォームを利用した無在庫輸出は一時期、高い注目度を集めていました。ただこういったプラットフォームでは、ここ数年規制が厳しくなったこともあり、新規参入が難しくなっています。
加えて「無在庫」の場合はどうしても出品数を確保する必要があるため、「アカウント閉鎖」のリスクも高まってします。プラットフォームではこういった事情から競合が限られてきています。
一方、Shopify等を利用して独自でサイトを開設して販売しようとする人は、プラットフォーム販売に比べてさらに数が少ないというのが現状です。
また個人による越境ECは、継続率も決して高くありません。Shopify等を利用した独自サイトの場合は売上げが一定金額になるまでには時間も必要なため、それまでに辞めてしまう人も多くいます。
ライバルも多くなく継続率も低いため、しっかりと続けることが出来れば、成果を確実に出していくことが出来ます。
ニッチな市場が多くある
海外で人気がある「日本商品」というのは、実は色々な分野があります。
アニメなどのサブカルチャー商品や玩具などはすぐに思いつくかも知れませんが、このカテゴリだけでも掘り下げていけば色々な分野があります。
他にも日用雑貨からコスメや食品、おもしろグッズまで、一定数の購入者がいるカテゴリは様々あるため、あちこちに「ニッチな市場」が存在します。
もちろんこのニッチな市場では稼げる上限額は出てきてしまいますが、もし個人事業として行なうとするのであれば、十分な金額を稼ぐことは可能です。また足りなければ、複数分野で専門店を作ることも出来ます。
海外ではニッチといえども国内では商材が容易に手に入ります。またニッチ市場はショップの専門店化もしやすく、SEO上でも強みとなります。
ここまで見てきたように、Shopifyでの無在庫販売によ輸出で商品が売れるには、必然的な理由がいくつかあります。もちろん個人でも成果を出すことは難しくありません。参入を検討している人はぜひ参考にしてみてください。